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テンカラ釣りにハマッってしまった中年オヤジの釣行記です。 テンカラに手を染めて5シーズンとなりました。 シーズン中は、ヤマメとアマゴに現を抜かし、オフは、オイカワをターゲットに、年間を通してテンカラ(毛鉤釣り)を楽しんでいます。

2007年03月12日

笹子川奇譚

 先週末は、花粉症+風邪で体調不良に加え、亡くなったお父っあんの七七日(49日)のため、釣行はお休みとしたので、今シーズン初釣行日に体験したちょっと不思議なお話をします。

 元来より霊的なものを見たり感じたりする性質ではないので、気のせいかただの偶然なのかもしれないのだが・・・。 その日は快晴だが、私の攻め方が下手なのか、魚がスレているのか、はたまた釣られてしまって居ないのか? 毛鉤を振り始めて既に3時間になろうとしていたにもかかわらず、一度の反応すら見られないまま、ついに当日の本命ポイントまで着いてしまった。 この辺りで釣れなければ今日はボウズを覚悟しなければならないと思いながら、毛鉤の交換で短くなってきたハリスを新しいものと交換し、毛鉤の打ち込み先を探す。
 比較的落差のある落ち込みからの流れが手前の石にぶつかってできた、右岸よりの小さな淀みへ毛鉤を打ち込むと、魚の影浮き上がってきて反転するのが見えた。何度も毛鉤の手前で反転を繰り返し、漸くそのヤマメを手にすることができた。ボウズを免れてホッとしながらも「初物だしキープして帰ろう」と思いビクの中へ収めて先へ進もうとしたとき、何かが立ちこんでいる足元へ落ちた音がした。「ん?」と川底を覘くと、ラインカッターを下げているピンオンリールが胸元から落ちていた。留具は安全ピンタイプなので簡単に外れることはないし、これまで一度も外れおちたことはないのだが、「あれれ?何かの拍子に緩んだか?」と思いながら、全く気にも留めず上手にある次のスポットへアプローチしていった。ここでは4度ヤマメが反応を見せたが、結局は毛鉤を咥えてはくれなかった。

 次のスポットは、落ち込みから小さな淵を成しており当日のメインスポットで、間違いなく白泡の中にヤマメが隠れていると思われた。しかし、何度毛鉤を流しても、毛鉤の色や大小を替えてみてもヤマメは出ない。半ば諦めの気持ちになりながらも、視認性の良いCDC(タン)をタップリと背中に乗せた12番の毛鉤を結び、白泡の脇へ打ち込んだ。すると突然毛鉤右手の白泡切れ目よりヤマメが飛び出した。集中力を失っていた私は、不意を衝かれて思わず大アワセをくれてしまい、見事に空振りかと思ったのだが、実はラインに結びつけていたハリスごと抜け落ちていたのだった。 
 
 魚を掛けた瞬間に結び目が解けるということは何度か経験していたので、いい加減な性格の私ではあるが、初日ということも手伝いこの日は意識して手抜きをせずに丁寧むすんでいた・・・はずだった・・・ように思う・・・そんな気がする。とまあ、ここまでは「畜生!またやってしまったか。それにしても手応えが感じられなかったなぁ~。アワセが強すぎたからかなぁ~?」などと考えながら、新しいハリスを160cm程引き出し更に念入りにラインへ結びつけた。そして、ハリスとともに消えた毛鉤と同じタイプの毛鉤を、これまた入念に結びつけ液体浮力材の入ったビンにつっこんだ。 そして毛鉤を乾かそうとFFでいうところのフォルスキャストを行なったのだが、4~5回振った時にラインの音が突然パチンという音(毛鉤なしで振ったときの音)に変わっていることに気がついた。「ん?」と思い竿を振る手を止め、ラインの先端を見ると、ハリスの中ほどから先が消えていたのだった。

 しかし、全く普通にフォルスキャスをしただけであり、竿や腕にも全く抵抗感じることは無かったにもかかわらず、ハリスが途中から切れてしまっているのだ。 さすがにこの時は背中がゾクッとした。 上方や後方を確認しても毛鉤やラインが引っかかるような障害物は無いのである。念のため、かなり後方に若干生えていた背の高い(せいぜい170~180cm位)枯れ草(葦?)を調べてみたのだが、やはり引っかかっているはずはなかった。そもそもそんな枯れ草に引っかかった程度ではラインは切れないし、必ず竿にグ~ンと抵抗があるはずだ。

 また、ハリス切れの場合、手ごたえとともにバチッという音がして然るべきなのである。
何か鋭利なもので切られたように何の抵抗も感じないままハリスが切れているのは通常では考えられない。

そのとき、私は似たような話を本で読んだことを思い出し、再びゾクッとした(たしか、著名なFlyFishermanの方であったように思うのだが思い出せない)。 ゾクッとはしたが、恐怖を感じるほどでもないし、私も釣バカの端くれである。このポイントのすぐ上流には堰堤があり、堰堤上流へしばらく行くと昨年目を付けていた良いポイントあるのでそこまで行ってみようと思い、堰堤下へ近づくと上流で振る餌師竿が見えたので観念して下流へ下り渓から上がることにした。 帰りの電車の中、突然足元に落ちたピンオンリールと音もなく切れたハリスのことを考えた。
そして、あのバラシたヤマメは元々私が手中にできるものではなかったのかもしれないなどと思い始めていた。

 数日後、山梨に住む実弟にこの話をしたところ、「その場所のすぐ近くに鮎供養碑があっから、何か関係あっかもなぁ・・・今度一緒に行って拝んでみっか?」と言っていた。    

~終しまい~


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この記事へのコメント
こんばんは

単独でこんなことがあったら、ちょっとビビリますね。
しかし、何事もなくて良かったです。
実は私は普通の人上に霊感が強い方で、ちょっと困っているのですが、最近はあまり人に話さないようにしているので、ちょっとは薄れてきましたが、やはり怖いものです。(汗)
地元に絶対に入山すると危険だなぁと察知できる渓谷があり魚も釣れそうなのですが、やはり怖くて近づけませんね。(笑)
Posted by hajihadu at 2007年03月15日 01:06
>hajihaduさん、こんにちは

霊感が強いと、見えなくともよいものが見えたり感じたりして大変そうですね。
でも、危険地区を感知する能力は欲しいような・・・(笑)
実は当日、ピンオンリールが胸元から落ちたすぐあと、上流へ移動するために大岩を攀じ登ったら、足元が滑り落ちそうになりました(汗)。
この時は本当に肝が冷えました(笑)。
今回は魚をキープするつもりだったので『この辺りの魚を釣るな!』というメッセージだったのかもしれませんね。昨年は、釣ったら即リリースしていましたので、この場所では何も起こりませんでした。hajihaduさんがここに行けば何かわかるかも?(笑)
Posted by tobitani at 2007年03月15日 14:21
ふーむ、なるほど不思議なこともありますねぇ~。
でも、自分が魚なら、堰堤作った奴の方を恨むと思いますなw
Posted by iwao at 2007年03月16日 20:42
こんばんは

キープとリリースの心持で違うとすれば
tobitaniさんも感じちゃう方なのかもしれませんね (((( ;゚Д゚)))

私はおそらく鈍いほうです。
Posted by van P at 2007年03月17日 21:39
>iwaoさん、おはようございます

確かにそうかもしれませんね(笑)。それにしても不思議な体験をしました。
iwaoさんは時々渓谷で野営されたりしていますが、不思議な体験とかしたことはないですか?


>van Pさん、おはようございます

昔は、釣ったらキープするのが当たり前という感覚でしたので何も感じなかったかもしれません。最近はヤマメが愛しいという感覚が芽生えたらしく、魚をシメる時に何か抵抗感のようなものを感じるようになりました。でも、釣りは辞められませんが(笑)。やはり、心持で違うのかもしれませんね。
Posted by tobitani at 2007年03月19日 10:56
不思議な体験はないですねー。
でも、闇はやっぱり怖いし、自然にはなんといいますか、
霊的(?)な何かを感じます。
いつでも「怖いこと」を考えてしまうMな人だと、
あっという間に闇に喰われて自滅してしまうでしょうねw
Posted by iwao at 2007年03月20日 15:12
>iwaoさん

野営好きのiwaoさんでも、やはり闇は怖いんですね(笑)。
iwaoさんが自然界から感じるという何かを、古代の人々も
感じていたからこそ自然崇拝という風習が生まれたんでしょうね。
闇に喰われないためにも、攻撃精神を練り、ドSとならねばいけま
せんね(笑)。ご回答ありがとうございました。
Posted by tobitani at 2007年03月29日 19:07
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